変化は広がる

私たちは様々な信念(belief)を持っています。

「自分はこういう人間だ」「こうするのが常識だ」「世界はこういうものだ」といったものです。

信念には、信仰や使命といった大きなものから、習慣や癖に近い小さなものまで様々なものがあります。

様々な抽象度の信念があると言ってもいいでしょう。

これらの信念は互いに複雑に関連しあって、一つの体系＝システムを形成しています。これをブリーフ・システムと言います。

私たちの認識や行動はブリーフ・システムによって制御されています。私たちはブリーフ・システムに合致しない情報は認識することができません。また、ブリーフ・システムから逸脱するような判断や行動もとりません。

そのため、人生を変えるためにはブリーフ・システムを変える必要があります。

そこで必要になるのが、現状の外側にゴールを設定することです。

いまのブリーフ・システムが維持されることで現実となる未来の状況を「現状の延長線上（ステイタス・クオ）」と呼びます。現状の外側のゴールは、現状の延長線上にはないゴールであり、それを実現するためにはブリーフ・システムを変える必要があります。

ブリーフ・システムを変えるための方法論が、セルフトークのコントロール、アファメーション、ビジュアライゼーションです。これらを行うことで、信念のもととなる情動記憶が書き換わり、現状の外側に設定したゴールを実現していくことが可能になります。

同時に、行動そのものを変えていくことも効果的です。いつもの自分ならとらない選択や行動でも、ゴールを実現している自分なら取ると思ったら試してみることです。そうすることで信念は加速的に変わっていきます。

ここで重要なことは、意識的にはちょっとした変化に思えても、その変化はブリーフ・システム全体を変化させることにつながるということです。

ブリーフ・システムは全体として関連しあっていますから、習慣や考え方がちょっと変化しただけでも、他の信念にも変化は広がっていきます。

その変化の積み重ねによって、現状の外側に設定したゴールが、現状（の延長線上）に取り込まれ、実現可能になっていきます。

このプロセスを繰り返すことで、内側に眠っている可能性がどんどん引き出され、いままでの自分では考えつかなかったような大きな夢を実現していくことになります。

コーチングを実践するなかでほんの少しでも変化が見られたら、しっかり自分を評価し、ブリーフ・システムをどんどん変化させていきましょう。

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